ちょっと切ないSFファンタジー「ふたつのスピカ」の作者、柳沼行先生インタビュー
![]() © 柳沼行・メディアファクトリー ●どのようなきっかけで、「ふたつのスピカ」の構想を練られたのでしょうか。 最初に「ふたつのスピカ」(以下「スピカ」)があったわけじゃないんです。「2015年の打ち上げ花火」などの5つの短編が先ですね。 ●「ふたつのスピカ」では、絵以上に、言葉が心に響くように感じることがあります。どんなところに気をつけていらっしゃいますか? 特にモノローグは気を遣いますが、キャラクターのセリフはそうでもないですね。とにかく、変に飾らないような、ストレートな表現を心がけています。 ●ご自身の作品の中で、どのキャラクターが一番好きですか? どれも好きなので…。でも、描いていて楽なキャラクターはいます(笑) ●ご自身と似ているキャラクターは? うーん、見当たりません。自分にないものを持っている、そういうキャラクターを作るからですかね。まぶしいもの、「自分がこうだったら良いのに」と思うキャラクターを描きたいんです。描いている本人でさえ、「こんな学生時代だったら良かったなぁ」なんて羨ましくなることがあります(笑) ●デビューするまでの経緯を教えて下さい。 学生の頃、19歳から20歳くらいでしたが、初めてジャンプの新人賞に応募して、そこで審査員特別賞のようなものをいただきました。でも、そこからしばらく描いていない時期があったんです。何かあったのではなくて、その頃はまだ描きたいものがはっきりしていなかっただけなんですけど。 ●ペンネームの由来は何でしょうか。 ペンネームは、漢字3文字が良いなと思っていました。宮崎駿さんとか、すごい方が漢字3文字だったので(笑)ちょっと字は違いますが、本名が、「ヤギヌマ コウ」まで一緒の漢字4文字なんです。そこから漢字1文字を取って、「柳沼 行」になりました。 ●マンガのアイディアはキャラクターから考えますか、ストーリーから考えますか? ストーリーから、というか描きたいシーンに合わせてストーリーを作ります。 ●アシスタントをされたことはありますか? アシスタントの経験はないんです。いま、どなたかにお願いしているということもありません。連載の最初の頃、原稿が遅れそうになったときに、本当は良くないんですけど、当時の編集長の松岡さんや編集の人たちにトーンやベタを手伝ってもらったことはあります(笑) ●1日のサイクル、1ヶ月のサイクルを教えてください。 しっかり決めているわけじゃないんですが、だいたい、月末に締切りがあって、2~3週間くらいはネームにかかりきりです。締切り間際にネームを上げて、すぐに原稿に入ります。 ●ネームに詰まることはありますか?詰まったときは、どうやって解決されていますか? しょっちゅう詰まってます(笑)そういうときは、前に読んだ、脚本家さんの本に書いてあったことを参考にしてます。「他のことに目を移すような書き方をするストーリーは、本当に書きたいことではない」というようなことだったと思います。自分が途中で気分を変えながら書いたようなストーリーは他人にとってもそんなに面白いストーリーではない、ってことですよね。それだけが正しいとは思いませんが、ぼくの場合は、悩みに悩んでも書けないときは、そのストーリーを一旦やめてしまいます。 ●マンガやイラストを描く際はアナログですか。愛用している画材はありますか。 原稿は、鉛筆で下描きして、時間がないときはそのまま、あればペン入れをして、スキャンしたものをきれいにしてフォトショップで着色、それをトーン処理しています。どうしてもネームに時間をかけてしまうので、原稿にかけられる時間は多くないんです。だからトーンなどの仕上げはパソコンでやっています。カラーイラストは、フォトショップとペインターですね。 ●マンガを描かれていて、どんなところが一番好きですか? そうですね、ネームが終わったときは、本当にほっとするので、この瞬間が好きです(笑)ネームにすごく時間をかけるので、締切り間際になって原稿に取りかかることが多いんです。そのせいで、原稿を描くうえでの楽しさを味わえていないのが残念ですね。 ●「マンガ家になってよかった!」と思う瞬間はどんな時ですか。 マンガを描くのは本当に大変なんですけど、自分が描きたいもの、表現したいものを形にできるところです。 ●マンガ家に必要なことはどんなことでしょうか? 色々なことを経験することかなと思います。ストーリーを書くときも、セリフも、経験に裏打ちされている方がすんなり入っていくと思うんです。 ●柳沼先生が「これはすごい!」「面白い!」と感じるマンガは、どのような作品でしょうか。 読後感、余韻が強く残るマンガが好きです。「こんなマンガ描きたい」って思わせてくれるような感覚。いままで読んだ中では、『11人いる!』(萩尾望都/小学館)が一番ですね。ほんとうに大好きな作品です。 ●「ほしのこえ」の挿絵も担当なさっていましたが、新海さんの世界観を表現するために気をつけていらした点があれば、教えてください。 このお話をいただいたとき、ぼくは本当にデビューしたてで、どうしてお話をもらえたのか、わかりませんでした。とにかくいただいたDVDを観て、世界観を壊さないように、作品を傷つけないように、画面をそのまま描くような感じでした。 ●最後に、これからマンガ家を目指す人たちへのメッセージをお願いします! たくさん、色々なことを経験してください。たくさん考えて、妄想して(笑)、経験して、とにかく「描きたい!」と思えるものを形にするのが良いと思います。 < 柳沼 行(やぎぬま・こう)さんプロフィール > ●コミックフラッパー 2009/6/19 金曜日 |
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